機械仕掛けの鴉製作者のブログです。
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久々の読書感想です。
本格ものに飢えていた僕は、最近本格ものの書き手として
各所で評価の高い大山誠一郎を二冊読んでみることにしました。
これが物凄いことに当たりですね! いや、凄いの何の……。
あまりにミステリが多く、トリックを捻出すること自体が極めて難しくなった昨今の現状において、久々に私の本格魂を揺さぶらせてくれた作家でした。
キャラクターが印象薄いだの、作者の記述があまりにも淡々としててちっとも物語が盛り上がらない等、エンターテインメント性の希薄さは感じられますが、むしろそれを通り越して度肝を抜かれる解決編の濃さに圧倒されました。
誰もが度肝を抜かれる驚愕のトリックなのに、精密機械を思わせるように練りこまれたロジックの網の目の細かさ。
問題編は見飽きた映画を延々と眺めるようなつまらなさなのに、解決編からの論理展開に震え、え? え? いやいやちょっと待ってくださいよお客さん、実は当店のメインディッシュはここからなんですよとまた驚き、ひとたび振り返ってみればあれも伏線! これも伏線! と全く無駄のない構成力にまた驚きます。一粒で三度美味しいとはよく言ったものですなぁ(何がだw
本格ミステリのお手本とはまさにこういう作品なのだと身をもって思い知らされました。
前置きが長くなってしまいましたが、以下よりレビュー開始です。
本格ものに飢えていた僕は、最近本格ものの書き手として
各所で評価の高い大山誠一郎を二冊読んでみることにしました。
これが物凄いことに当たりですね! いや、凄いの何の……。
あまりにミステリが多く、トリックを捻出すること自体が極めて難しくなった昨今の現状において、久々に私の本格魂を揺さぶらせてくれた作家でした。
キャラクターが印象薄いだの、作者の記述があまりにも淡々としててちっとも物語が盛り上がらない等、エンターテインメント性の希薄さは感じられますが、むしろそれを通り越して度肝を抜かれる解決編の濃さに圧倒されました。
誰もが度肝を抜かれる驚愕のトリックなのに、精密機械を思わせるように練りこまれたロジックの網の目の細かさ。
問題編は見飽きた映画を延々と眺めるようなつまらなさなのに、解決編からの論理展開に震え、え? え? いやいやちょっと待ってくださいよお客さん、実は当店のメインディッシュはここからなんですよとまた驚き、ひとたび振り返ってみればあれも伏線! これも伏線! と全く無駄のない構成力にまた驚きます。一粒で三度美味しいとはよく言ったものですなぁ(何がだw
本格ミステリのお手本とはまさにこういう作品なのだと身をもって思い知らされました。
前置きが長くなってしまいましたが、以下よりレビュー開始です。
【作品名】 「アルファベット・パズラーズ」by 大山誠一郎
【本格力】 ★★★★★
【驚愕度】 ★★★★★
【論理力】 ★★★★★
【文章力】 ★★★☆☆
【物語性】 ★★☆☆☆
【独創性】 ★★★★☆
【自己評】 9点
【備考欄】丁寧な練りこみと驚愕のトリックを併せ持った凄腕の本格職人技。
マイベスト10入りは確実の9点獲得です。今まで読んだ短編集の中ではNo1かも。
中でも三作目「Yの誘拐」の完成度はきわめて高いですね。
このメインはやはり Who is Y? という作者からの問いかけにあると思いますね。
私には全くわかりませんでした。見抜いた方は拍手喝さいものでしょう。
【作品名】 「仮面幻双曲」by 大山誠一郎
【本格力】 ★★★★★
【驚愕度】 ★★★★☆
【論理力】 ★★★★☆
【文章力】 ★★★☆☆
【物語性】 ★★☆☆☆
【独創性】 ★★★★☆
【自己評】 8点
【備考欄】ミステリの王道、双子トリックに整形手術という要素を放り込んだ特殊な本格ミステリ。
こちらは第二の殺人に少々無理があったため、減点せざるを得なかったんですが、
それを見越しても双子を利用したトリックは素晴らしかったです。
戦後まもなくの昭和が舞台と言うのもどこか新鮮でした。
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