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機械仕掛けの鴉製作者のブログです。
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【作品名】 「水没ピアノ」by 佐藤友哉
【本格力】 ☆☆☆☆☆
【驚愕度】 ★★★☆☆
【論理力】 ☆☆☆☆☆
【文章力】 ★★☆☆☆
【物語性】 ☆☆☆☆☆
【独創性】 ★★★☆☆
【自己評】 5点
【備考欄】どう言葉で表せばいいのか全くわからなくなってきた。
ページを開くたび、泥臭い沼の中を掻き分けて進んでいくような感じでした。
何処まで進んでも、虚しい喪失感が胸の中をまさぐっていく感覚が残るだけ。
これ読んでる最中はどれだけ「エアーマンが倒せない」の替え歌で「佐藤友哉がわからない」の歌詞が脳内をループしたかもわかりません。
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【作品名】 「イニシエーション・ラブ」by 乾くるみ
【本格力】 読書中は☆☆☆☆☆(読了後は★★★★★)
【驚愕度】 ★★★☆☆
【論理力】 ★★☆☆☆
【文章力】 ★★★☆☆
【物語性】 ★★★★☆
【独創性】 ★★★★☆
【自己評】 8点
【備考欄】未読の方へ、これは恋愛小説です。多分。

以下、余計な一言。

mari-

イラストはついでみたいなもんです。
でも、(珍しいことに)描いていて気に入った絵なので、そのうち色も塗るかもしれません。

本格ミステリってそもそもどういうジャンルを指すの?と聞かれることがあります。
確かに本格ミステリと一言で言っても何を指すのかわかりにくいジャンルではあります。
どこまでが普通のミステリか、どこまでが本格として認められるものか、といった線引きは難しいですからね……。
一応、ノックスの十戒やヴァン・ダインの二十則で定められてはいるんですが、最近のミステリでそれらの法則が破られているなんてよくある話です。
例えばノックスの第三項に秘密の抜け穴や通路を使ってはいけないとありますが、これらは綾辻の館シリーズで簡単に破られています。
また、ヴァンの二十則には作者が読者をペテンにかけるような記述をしてはいけないとありますが、これは叙述トリックそのものの否定になってしまいかねません。
他にもありますが……きりがないのでこの辺にしておきましょう。

これらは元々、イギリスの思考形式によって発達した本格推理なのですが、何も彼らの基準に合わせて十戒だの二十則だのに振り回されることもないでしょう。
新本格が生まれて以来、本格というジャンルも日本で独自の成長を続けているわけですし、日本は日本で理想の本格ミステリ観というものが(おそらく)出来上がってるものと思われます。
岩崎としても本格ものを書く以上、自分自身の本格ミステリ観をハッキリさせる必要があります。ある程度頭の中で決まってはいるんですが、今までそれを文章にしてまとめたことはなかったので。

以下に私的な本格ミステリ観を書き連ねつつ、整理することにします。順不同。
・まず最初に謎ありき。解くべき問題が存在しなかったり、答えが読者側に透けて見えるような謎については本格ではないと考えます。
つまり、コロンボ等の倒叙ミステリは基本的に本格ではないが、それとは別の謎が作中に隠されていた場合は考慮の予知があるということです。
・犯人を特定する為の伏線。これは最も重要でしょう。犯人を特定するためのロジックが作中に隠されている場合、伏線を通して読者がその答えをあらかじめ導き出せるようなロジックであれば文句なしです。
これは多ければ多いほど信憑性が増すんですが、その分読者にばれやすくなる危険性が高まりますね。
このギリギリの線をどれだけコントロールできるかが、推理作家の腕の見せ所だと思います。
・作中にトリックが存在する場合、そのトリックは超自然的な設定(例えば超能力や、近未来的な空想科学、非現実的な魔法等)に頼らず解かれるものではなくてはならない。
ちなみに稀に存在する「SFミステリ」では、読者側にあらかじめSF的な設定が伝えられている場合につき、その設定分のみ超自然的存在が許容されることになります。
例えるならデスノートはL側視点でのみ進めた場合、アンフェアになりますが……月側の視点でノートのルールが明らかにされた場合は、そのルール分視野を広げたトリックを展開されることができます。
(何か思いついたらまた追加するかもしれません)

とりあえず、謎に関する基本的な許容範囲はこんなものだと思います。
あくまで私的な本格ミステリ観ですが、ここが違うのではないかという箇所があったら指摘していただけると幸いです。
(多分つづく)

久々の読書感想です。
本格ものに飢えていた僕は、最近本格ものの書き手として
各所で評価の高い大山誠一郎を二冊読んでみることにしました。
これが物凄いことに当たりですね! いや、凄いの何の……。
あまりにミステリが多く、トリックを捻出すること自体が極めて難しくなった昨今の現状において、久々に私の本格魂を揺さぶらせてくれた作家でした。

キャラクターが印象薄いだの、作者の記述があまりにも淡々としててちっとも物語が盛り上がらない等、エンターテインメント性の希薄さは感じられますが、むしろそれを通り越して度肝を抜かれる解決編の濃さに圧倒されました。

誰もが度肝を抜かれる驚愕のトリックなのに、精密機械を思わせるように練りこまれたロジックの網の目の細かさ。
問題編は見飽きた映画を延々と眺めるようなつまらなさなのに、解決編からの論理展開に震え、え? え? いやいやちょっと待ってくださいよお客さん、実は当店のメインディッシュはここからなんですよとまた驚き、ひとたび振り返ってみればあれも伏線! これも伏線! と全く無駄のない構成力にまた驚きます。一粒で三度美味しいとはよく言ったものですなぁ(何がだw

本格ミステリのお手本とはまさにこういう作品なのだと身をもって思い知らされました。

前置きが長くなってしまいましたが、以下よりレビュー開始です。

開発中の立ち絵と他色々、使えそうな絵が浮かんだらとりあえず描きます。
最終的に使わなくても練習になるからいいんです(無駄描きはやめろ~)。

h2

で、語り役の創です。前奏曲と比べると結構目つき悪くなってるけど、これくらいがいいのかもしれませんね。
メガネ+中途半端な天才属性+性格の黒さ+黒い服+ヘタレ
何だこの適当な属性をミキサーにかけたようなあれな感じはw
立ち絵は多分出るだろうけど、おそらくホンの少しだけになるかもしれない。……もっと後で描けばよかったか?
とりあえず頑張ってます。


さて、久しぶりに読んだのが、以前じーじょさんが絶賛してた皇帝のかぎ煙草入れです。
クリスティが絶賛するだけあって素晴らしくカーらしくない作品でした(笑)。
えーと、密室はどこですか? 火刑法廷ですらそれっぽいのがあったのに今回はそれが影も形もありません。

【作品名】 「皇帝のかぎ煙草入れ」by ジョン・ディクスン・カー
【本格力】 ★★★★★
【驚愕度】 ★★★★☆
【論理力】 ★★★★☆
【文章力】 ★★☆☆☆
【物語性】 ★★★★☆
【独創性】 ★★★★☆
【自己評】 8点
【備考欄】主人公を取り巻く人間関係と、盲点をついた心理トリックが見物。
     というか、普通にカーが書いた作品とは思えません(凄く失礼w)

ある一部分を偶然に頼っていることを除けば、そのトリックの構成が完璧といっていいほど巧いんですよね。
流石にカーの代表作品を選べといわれれば、あの驚天動地の密室を作り上げた三つの棺に他なりませんが(ちなみに採点は9点)。

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