機械仕掛けの鴉製作者のブログです。
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イラストはついでみたいなもんです。
でも、(珍しいことに)描いていて気に入った絵なので、そのうち色も塗るかもしれません。
本格ミステリってそもそもどういうジャンルを指すの?と聞かれることがあります。
確かに本格ミステリと一言で言っても何を指すのかわかりにくいジャンルではあります。
どこまでが普通のミステリか、どこまでが本格として認められるものか、といった線引きは難しいですからね……。
一応、ノックスの十戒やヴァン・ダインの二十則で定められてはいるんですが、最近のミステリでそれらの法則が破られているなんてよくある話です。
例えばノックスの第三項に秘密の抜け穴や通路を使ってはいけないとありますが、これらは綾辻の館シリーズで簡単に破られています。
また、ヴァンの二十則には作者が読者をペテンにかけるような記述をしてはいけないとありますが、これは叙述トリックそのものの否定になってしまいかねません。
他にもありますが……きりがないのでこの辺にしておきましょう。
これらは元々、イギリスの思考形式によって発達した本格推理なのですが、何も彼らの基準に合わせて十戒だの二十則だのに振り回されることもないでしょう。
新本格が生まれて以来、本格というジャンルも日本で独自の成長を続けているわけですし、日本は日本で理想の本格ミステリ観というものが(おそらく)出来上がってるものと思われます。
岩崎としても本格ものを書く以上、自分自身の本格ミステリ観をハッキリさせる必要があります。ある程度頭の中で決まってはいるんですが、今までそれを文章にしてまとめたことはなかったので。
以下に私的な本格ミステリ観を書き連ねつつ、整理することにします。順不同。
・まず最初に謎ありき。解くべき問題が存在しなかったり、答えが読者側に透けて見えるような謎については本格ではないと考えます。
つまり、コロンボ等の倒叙ミステリは基本的に本格ではないが、それとは別の謎が作中に隠されていた場合は考慮の予知があるということです。
・犯人を特定する為の伏線。これは最も重要でしょう。犯人を特定するためのロジックが作中に隠されている場合、伏線を通して読者がその答えをあらかじめ導き出せるようなロジックであれば文句なしです。
これは多ければ多いほど信憑性が増すんですが、その分読者にばれやすくなる危険性が高まりますね。
このギリギリの線をどれだけコントロールできるかが、推理作家の腕の見せ所だと思います。
・作中にトリックが存在する場合、そのトリックは超自然的な設定(例えば超能力や、近未来的な空想科学、非現実的な魔法等)に頼らず解かれるものではなくてはならない。
ちなみに稀に存在する「SFミステリ」では、読者側にあらかじめSF的な設定が伝えられている場合につき、その設定分のみ超自然的存在が許容されることになります。
例えるならデスノートはL側視点でのみ進めた場合、アンフェアになりますが……月側の視点でノートのルールが明らかにされた場合は、そのルール分視野を広げたトリックを展開されることができます。
(何か思いついたらまた追加するかもしれません)
とりあえず、謎に関する基本的な許容範囲はこんなものだと思います。
あくまで私的な本格ミステリ観ですが、ここが違うのではないかという箇所があったら指摘していただけると幸いです。
(多分つづく)
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