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機械仕掛けの鴉製作者のブログです。
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【作品名】 「イニシエーション・ラブ」by 乾くるみ
【本格力】 読書中は☆☆☆☆☆(読了後は★★★★★)
【驚愕度】 ★★★☆☆
【論理力】 ★★☆☆☆
【文章力】 ★★★☆☆
【物語性】 ★★★★☆
【独創性】 ★★★★☆
【自己評】 8点
【備考欄】未読の方へ、これは恋愛小説です。多分。

以下、余計な一言。
本を売るためとはいえ、どうしていつもいつも解説は小説に隠されて
いる“毒”をひけらかすんだろう、と毎回思いたくもなる。
ミステリにとってはいつものことだけど、“空前絶後の大仕掛け”とか
“驚天動地の大トリック”なんて宣伝文句を連ねていたら読者が警戒するのは
至極当然で、その後は作中のあらゆる記述に目を光らせ、作者の企みを暴こうと
するのである。
そして、いざトリックが暴かれたとして、読者の読みが外れていたとしても
「なるほど、実はそれも考えていたんだね」と等と部分的な仕掛けに気付いている人は
割と多いのだ。その時点で読者は100%の驚きを体感することができなくなってしまう。
僕はこういう時、心の声を大にして思うのだ。

違う。違うよ! それ、自分が驚きたかった驚愕じゃないから!
どうせ体感するなら、予備知識なしで100%の驚きを味わってみたいと読者は思っているものなんだから!
だから解説も、帯もいらないし、ただ面白いという三文字だけを自分に伝えてくれればいいんだから!

まあ、売れるためには解説をつけるのも至極仕方がないんですけどね、
「絶対これ面白いから! 騙されるから!」等といって薦められた小説が想像以上の
楽しみを与えてくれるかといえば、読み慣れた人からすればあまりそうではない
というのが普通である。


遺憾ともし難い訳で、岩崎にできる精一杯のアドバイスといえば、この本を
読む方はタイトルだけを確認して裏表紙の解説や帯の宣伝文句を絶対に見ないように
注意しつつそのままレジまで持っていき、店員にカバーをかけてもらった後は
読了後までそのカバーを剥がさないように! と進言するだけでした。
(本のカバーを外して読むのもあり)

あ、このレビューを見た人にはもう手遅れかもしれませんが(爆)
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個人的に乾くるみの作品は高校の頃から好きでした
乾くるみの本は「林真紅郎」までしか追えていない自分は、岩崎さんのレビューを読むまで、自分が「イニシエーション・ラブ」を最近買ってから積ん読していたままだったことをすっかり忘れていました。

ここ4年はミステリの新刊を全く入荷しなくなった近所で唯一の書店のせいで、2004年以降のミステリ事情がさっぱりな大友です。(年に3回、20キロメートル先の書店で新刊を買う機会がありますが……、高校の頃に比べると読書量が絶対的に減っている)もう、リアル書店は見捨ててamazonで買ってみようかしら、岩崎さんのレビューを読んでて買いたくなった本がいくつかありますし。

乾くるみさんの作品は「塔の断章」というのが、完成度の高いミステリで好きだったんですが。「林真紅郎~」がわりと普通の作品だったので、それ以降の作品からは遠ざかっていました。ですが、岩崎さんのレビュを読む限り、「イニシ~」は普通の作品ではないようですね。
期待できそうなので、ひさしぶりに積ん読消費してみようと思います。
大友達彦 2008/06/01(Sun)22:01: 編集
本棚の容量がやばくなってます
僕も最近はミステリ事情がさっぱりだった気がしますが、いい加減に色々消化していかないと積読ばかりが増えてきますね。
乾くるみは初読でしたが、イニシエーション・ラブは間違いなくお薦めの一品ですよっ!
勿論、何がお薦めかってそんな事は聞いちゃいけませんが。
岩崎幹 2008/06/02(Mon)13:37: 編集
驚愕を味わうのはむずかしい
2日間かけて、先ほどイニシエーション・ラブを読み終えました。
ああそうか、と読み終えたと同時に岩崎さんが出版社に対して、何を怒っているのかがよく分かりました。自分も同じ罠にかかったみたいです。
自分は帯なしの文庫版を買いましたが、書店で選んでいたときすでに本の裏表紙をばっちりと読んでいました(笑)
(あの裏表紙の説明を書いた人にはもうちょっと裏表紙の説明の内容に気を遣って欲しかったな・・・とほほ)
たしかに、裏表紙を先に読んじゃうと、トリックの種類が早々に予想ついちゃいますよね。それに乾くるみの作品にしては、複線の出し方が意地悪ではないので、後半に入った直後に真相をほぼ完全に把握できちゃいました。ただ、今作はそういった仕掛け以外にも楽しめる部分が多かったので、損したという気分にはそれほど陥らなかったのが救いかな。

あと、ある登場人物に関してちょっと私見を。
個人的に、今作のヒロインは、前半は好きになれなかったけれど、あの終盤にかけて、けっこう好きになりました。
こう考えるのは少数派だと自覚した上での発言ですが、あのヒロインの性格は、真相を分かった上で、かなりいい子だと思いました。
大友達彦 2008/06/04(Wed)01:23: 編集
未読の方はこのコメントを読んではいけません
>裏表紙の説明
あの書き方は、読者の購買意欲を引き出す為には仕方ないことだと思いますけどね。
ただ知り合いに読ませるならば、あの驚きを知ってもらいたいが為にカバーを外して貸すようにすると思います。
最後から二行目、おそらく衝撃よりも混乱を与えられた人の方が多いので、トリックに気付かずそのままスルーしてしまう方もいるかもしれません。
何せ、作中で“一度も出たことのない名前”が突然出てくるわけですから(笑)。

>今作のヒロイン
うーん、そうですかねぇ。
真相を知れば純真無垢な女性像を抱いていた相手が、突如狡猾な悪女(これは言いすぎか?)に早変わりするので、そういう印象を抱くのは稀な話だと思いましたが。
まあ、僕の女性観が浅いのでまだ何とも言えない感じですが。
ちなみに自分のヒロインに対しての印象ですが。
(序盤)好印象→(Bの序盤)健気ですなぁ→(終盤)可哀相過ぎる……。
(読了後)なるほど時系列はB→Aだったのか。なら彼女は幸せになったんだな。ウルウルよかった。
(推理後)浮気かよッ! 冷静になってよく考えてみるとこの女腹黒いぞ!

こういう感じでした(笑)。まさに作者の思う壺だなぁ。
岩崎幹 2008/06/04(Wed)12:12: 編集
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