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機械仕掛けの鴉製作者のブログです。
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【作品名】 「水没ピアノ」by 佐藤友哉
【本格力】 ☆☆☆☆☆
【驚愕度】 ★★★☆☆
【論理力】 ☆☆☆☆☆
【文章力】 ★★☆☆☆
【物語性】 ☆☆☆☆☆
【独創性】 ★★★☆☆
【自己評】 5点
【備考欄】どう言葉で表せばいいのか全くわからなくなってきた。
ページを開くたび、泥臭い沼の中を掻き分けて進んでいくような感じでした。
何処まで進んでも、虚しい喪失感が胸の中をまさぐっていく感覚が残るだけ。
これ読んでる最中はどれだけ「エアーマンが倒せない」の替え歌で「佐藤友哉がわからない」の歌詞が脳内をループしたかもわかりません。

三つの視点によって描かれるそれぞれの話。
視点1は、鬱々と工場の仕事をこなす引きこもり気味の青年。
視点2は、密室状況の屋敷内で壊れた長女によって繰り広げられる惨殺劇。
視点3は、少女を見えない悪意から守る少年。

関連性は無いように見えて、ページを進むにつれて別々に語られていた物語がリンクして、ガチガチとかみ合った歯車によって連動する仕掛けが露になる。その過程や演出はグッド、芸術的素養のある方ならわりと理解できるかも、と思いました。
keiさんが彼に惚れこんでたのも、きっとこういう“世界が壊れる”部分に魅力を感じたのかもしれない。

……が、本格ミステリ好きの僕としては彼の世界が壊れる云々は然程プラス要素にはならず、
(本格ミステリとして壊れる、ならわかるけど、彼のそれはそんな感じじゃなかったと思うので)
名前のミスリードはもっと他にやりようがあったんじゃないかとか、密室の回答がそんなんでいいんかいっ! だとか。
瀕死の圭一をリンチした後の朋朗達の行動が、ビニールシートに包んで暗い森の中に捨てて終わりって、短絡的過ぎやしないかいっ! 殺すなら殺すで、とどめをさして死んだのを確認してから樹海に運んで深々と掘った穴の中に埋めるとか、それくらいの努力はせんかいっ、とか言いたくなる。
各キャラの行動原理が壊れていて、一つ一つの行動がうそ臭く、幼稚に見えてならなかったんですよね。
大体、推理小説にヤンデレはいらないんだし(例外はあるけど)。
病んでる登場人物だらけの本作をミステリとして見ると、どうにもむず痒く、ぎこちない感じが頭について離れなかったですね。

ミステリとして読んでいた自分が間違っていたのかもしれません。
佐藤友哉がミステリではないというのは事前に聞いていたのにも関わらず、本格チックな構成に期待を注いだ読み方をしたからあわなかったのかも。
採点は5点。お勧めはしませんが、登場人物が決まってハッピーエンドに終わるフィクションに嫌気が指した方なら、あるいは何か感じるかもしれません。
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